今日は、友人と一緒に観劇。
昨日は役者さんも観客も緊張していて、劇場内はピリピリと張り詰めた空気がいっぱい。肩に力が入りながら観劇してましたが、二日目の今日はいい感じでリラックスしていた気がします。
役者さん達、ちょっとかんでたな(笑)
今日はちょうどジョヴァンニが通る通路脇の席だったんだけど、その通るシーンではものすごい『気』を感じました。あの集中力っていうのは、並大抵じゃないですね。役者って、すごい!
つき抜けた魅力があります。
芝居の中身は、言うまでもなく、素晴らしかった!気がつくと引きずり込まれているんです、あの中世の空間に自分が入ってしまったように・・・。
今日感じたこと
『愛』・・・その愛するがゆえに『合体』したい、『溶け込みたい』という衝動に駆られる。「食べてしまいたいくらいかわいい」という表現があるけど、そういう感覚ってあるんだろうな・・・きっと特に男性にはそういうのが強いんじゃないか・・・。それは理性とかそういうものを取っ払ったところにある、誰でもが秘めている本能なのかもしれない。
それから、大昔の人間はかなり本能的に生きていたのだろうと思った。秩序や倫理観なんていうものは、もともと二本足歩行を始めた頃の人間にはなかっただろうし、徐々にそういった『知』の部分が備わってきたのだろうから、現代の私達に比べれば遥かに心のタガなんていうものはなかったんじゃないか・・・。日本だって、昔の話って、今私達が感じる残酷な話がたくさんあって、それは当時残酷とは思われてなかったわけです。
そいうところに宗教や因習といった戒律によって徐々に秩序と言うものが確立されて行った・・・そんな背景があるんじゃないかなんていうことも思ったわけです。
そこで現代・・・タガの外れた犯罪が多発している時代。人間は知恵をつけてきていたように見えて、実は二本足歩行していた頃と変わっていなかったのか、またはステップバックしてしまったのかもしれません。今、この芝居を上演することの必然性って、そんなこともあるのかなぁ・・・などと勝手に想像してみました。
近親相姦というタブーを扱った作品・・・なぜジョン・フォードはあの時代にこのような戯曲を書いたのか・・・当時の時代背景についての知識がないので、なんとも想像のしようがないのだけど、ぜひ知りたいな。